近代の夜明け/近代批判の始祖

誰でも一度は社会を憎むことはあるだろう。親や社会のせいする。今の政府が悪いだのという人もいるだろう。ではそれらの感情を正当化させるとどんな思想ができるのだろうか。それがルソーの出発点だ。


このルソーの思想はやがて、血なまぐさい近代の種々のできごとに繋がっていく。革命、恐怖政治、粛清。ルソーは直接民主主義を打ちたてたが、それは同時に全体主義をも内包するものであった。


それらはプラトンの思想にすでに萌芽が見られていたものでもある。いわゆる共産的国家像だ。プラトンもルソーも一般意思あるいはイデアを見抜ける賢人による独裁国家を望んだ。極端なエリート思想だが、国家を私物化する今の官僚にも、そういう所はたぶんに見受けられるだろう。