フランス文化に平伏すアメリカ

はてなロディア欲しい!というキャンペーンをやっているようだ。フランス製の商品にはこじゃれた物も多いが、ロディアは実用面でも割と考えられてつくられていて値段も割りとリーズナブルだ。文具は意外と値段の幅のある世界ではないかと思う。例えば、ジョルジュ・ラロというフランス製のノートがある。
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これはノートとしては高めな方だろう。ただし、カバーは皮製のようだ。*1数万円する皮製の手帳はざらにあるから、それと比べれば、これぐらいはして当然なのかもしれない。手帳といえば、モールスキンが割とおなじみか。モールスキンはもともとフランスのメーカーが作っていたが、1986年に一度生産が中止され、最近になってイタリアのメーカーが復刻させたらしい。また、モールスキンは実用面でも優れているようで、そのスケッチブックはマティスゴッホが使ったことでも有名のようだ。

私が使うには丸善あたりのもので十分だが、こういう文具に懲りだすと奥深い世界がまっているのかもしれない。とくに、ロディアもそうだが、フランスの文具はデザイン的にも優れたものが多いのでファンも多いのだろう。ゴッホミュージアム用につくられたモールスキンなどは特に気になる商品の一つかもしれない。[rakuten:bunguya:926652:detail]

知らぬが仏のヴァンデ戦争
フランスにおいてヴァンデ戦争を語ることはつい最近までタブーとされてきた。フランス革命の闇は深い。フランス革命の評価を聞けば、その人の政治思想は簡単に明らかにできるだろう。フランス人にだけは、アメリカ人も頭が上がらない。それはフランス人の野蛮さを知っているからというよりも劣等感の方が強いのだろう。アメリカではカトリックプロテスタントの対立軸の他に、人種的な視点も無視できないことだ。アメリカの上層にいる、いわゆるWASPでも、フランス語やラテン語を勉強したりする。日本人でもパリ症候群などをわずらう人もいるが、フランス文化への憧憬はアメリカ人も変わらない。それには、歴史的な理由もある。

イギリスはノルマン系のフランス人が支配階級や貴族を占めていた。ノルマン人はもともとバイキングだが、彼らがイギリスを征服したのだ。アメリカで「ブルー・ブラッド」といえばフランス系あるいはオランダ系の名家を指す。ちなみに、フランス料理は、フランス人の料理という意味ではなく、世界で最高級の料理という意味である。そして、ソムリエはフランス人でなければいけないという伝統もある。

WASPは文字通りプロテスタントだが、フランスはカトリックの国である。ここにひとつのねじれがある。さらに、イギリスではアイリッシュの問題がある。アイリッシュケルト系の人々であり、カトリックでもある。U2アイリッシュ色の強いバンドの一つだ。日本にいるとそういう人種や宗教に対する気遣いをほとんどしなくて済むが、海外へ行くときはその土地の問題などを踏まえないと思わぬトラブルに巻き込まれることもあるから注意が必要だ。

もっとも海外旅行へ行ってはしゃぐなという方が無理かもしれない。ただ、どこへ行ってもバブルの後遺症というか、日本語の看板があったり、日本人の店員がいたりと、観光地やリゾート地は、それはそれで便利なのだが、いかに鴨がネギを背負って歩いていたのかと感慨深いものがある。だから、旅行慣れした人は日本人が余り行かないところを目指すのかもしれない。

*1:デスノートは何製だろうか。