官僚は社会主義を追求する

誤一度もなき者は危く候(葉隠
公務員は、革命や戦争が起きても、一般には影響が及ばないといわれている。頭の挿げ替えはできても胴体を変えることは事実上不可能だ。それは国家の手足であり、機能そのものだからだ。トクヴィルの「旧体制と大革命」によると、あのフランス革命でさえ地方の公務員に対する変化を何ももたらさなかったといわれている。


スターリンは革命家ではなく実務家であり、誰よりも官僚的であった。彼の肩書きは生涯、書記長のままだった。党書記長は党の事務長のことだ。彼は党員名簿と経理を掌握することで実権を握っていった。地方の党組織の書記を腹心で固め、党内の官僚機構を掌握し、この党組織での派閥作りが最後には実権を握らせることになった。プーチン大統領も巨大な官僚機関であるKGB、今のFSBを牛耳ることで権力を手中に収めている。旧日本軍も東条英機しか軍部の言うことをきかせられる人間はいないということで首相になっている。


今、行われようとしている公務員改革が如何に難しい事なのかは想像に難くない。いわゆる族議員に代表される抵抗勢力護送船団方式維持を目論んだ天下りなどによる官民癒着体制を更正するには官民両方の意識の変化が必要だ。全共闘世代の役人はとくに私利私欲を追及し、スターリンの手足のようになったものもいるのだろう。官僚の「無謬性」神話は庶民からすればとっくの昔に崩壊している。しかし、テレビに出る庶民感覚を無視した横柄な官僚を見ていると、いまだに誤りを認めない官僚が跋扈しているようだ。


社会主義体制が崩壊した今になっても、「あれは指導者が悪かった」だの、「あれは真の社会主義ではない」と言うものがいる。弁証法屁理屈の論理だ。反証可能性を認めない弁証法マルクス主義は、ポパーに言わせれば、科学のかの字も知らないものの企てということになるのだろう。夢想家で有名なルソーのような哲学者の言説を元に政治を行うことの危険性は、ロベスピエールらの暴政により証明されている。温故知新。


スターリン命令と松本治一郎
http://www5f.biglobe.ne.jp/~shishoukaku/05shushinkai/003recommend/12010102sueyasu.html#0205
オルグ学入門
http://homepage3.nifty.com/kazano/org.html
大東亜戦争スターリンの謀略
http://www.daitouasensou.com/