途中のメモ

念仏仏教とポストモダンの徒


『 社会科学自身の学際的性質の外に,社会科学と自然科学の間の密接な関係の呈示もある。ニューロ科学の発展で起こっている結果とのオーバーラップがすでに生じている。例えば,この学問の研究センターは,生物学者,医者,心理学者,社会学者,数理学者,哲学者を擁し,これらが共同して緊密に働いている。

もう一つの例は,環境の質,天然資源の入手可能性,海上環境の生産性までに採り上げている。これらはすべて,人文的要素あるいは人類学的要素から強い影響を受けている。

現在ではグローバルな温暖化のような分野で行われる世界的プログラムは自然科学研究者と人文科学研究者を同一テーブルに導いている。これら2つの科学によく訓練された人達に対する需要が今後増え,アカデミックなプログラムがこの要求を満たすために導入されるべきことに疑問の余地はない。』


『 各国政府は,社会の運営に社会科学がかなり助けとなる感覚を有している。政府はまたその当面する個別問題の処理にも,社会科学への依存を深めている。イギリス政府は都市環境における青年層に対する研究プロジェクトを実施した。

調査結果は,社会的崩壊,疎外,失業克服のための政府プログラムの設計に強い影響を与えた。この調査が1997年の総選挙を決定づけた世論動向の形成に一役買ったと言っても言い過ぎではないであろう。』


要約

社会科学は各国のデータベースを繋ぐことで,大規模な比較分析を実施することが可能になり始めている。今では、広範な問題に対する大きな調査がインターネット上で行えるようになっている。

これは多数の研究チームを世界的ネットワークで繋ぐ、仮想ラボラトリーにおける作業の可能性を開き、既に、全米科学基金を通じアメリカ政府はいくつかの分野で試験的行動を開始している。

例えば暴力に関する仮想研究センターが,心理学,犯罪学,経済学,生物学,経済学に至るあらゆる分野における20もの組織で働いている何十人もの研究者からの情報を突き合わせ,供給するため,設立されている。


いくつかの方法で,技術的可能性が,気候学に及ぼした効果に比す事ができるような変化が社会科学に及ぶと考えられている。数十年前,気候学は世界中に散在する観測所から偶然にまた時々送られる情報に依存していた。現在は衛星の利用により,われわれの気候現象の理解と予測は大きく改善された。



『 そのようにして社会科学は立ち直り,21世紀に自身を主張できるであろうか?社会が自己を分析する方法はゆっくりとしか発展しないので,われわれは恐らく何十年かこれに答えられないであろう。結局,社会科学には,いくつか他の科学のような突然の発見や主題の解明は稀である。

そのうえ,社会科学は自己の領分を守り,イノベーションや変化に対する既存機関の頑固な抵抗に当面し続けるであろう。社会には(これは定義上安定を求めるとされる),あらゆる種類の自己分析にふけることへの抵抗が組み込まれているということであろうか。

難しい真理を好む人は殆どいない。しかし恐らく,情報時代においては,また,知的世界の物質的経済においては,すべてが変わりえる。


『恐らく社会は,単に生き残るためだけにでも,自己をより良く知る緊急の必要性を発見するであろう。そうなると社会科学はもっと需要が増えるであろう。 』



『 経済の社会・文化的基礎を厳格にかつ方法論的に解明するには,他の社会科学を参照しなければならないことは明白であろう。例えば,人類学を採り上げてみよう。人類学は価値体系,制度,家族構成それに宗教的背景すら,それが個人の行動へ与える影響を説明しようと試みる学問である。

しかし多年の間,人類学とその分派,民族学は異国情緒ある社会の研究にかぎられてきた。しかし人類学は,われわれ自身の社会について,将来といわず,その機能に対し幾分の光を投げかけることができる。

(中略)

この学問は,アカデミックな正当性を獲得し始めたばかりでなく,家庭や投資家等の行動を詳細に理解しようと望んでいる企業の真剣な関心をすでに引きつけつつある。このことは各文化圏を超えて活動している多国籍企業について特に言えることである。

1970年代にIBMが委嘱した,同社が子会社を持っている60カ国以上の調査が,これの完全な例となっている。それ以降,多くの調査は,個人主義の程度,不確実性の管理段階的構造への関心,従業員の行動での性能バランスのような,社会・文化的要因が経営に与える影響を重視している。』





未来学の知識の有無 と日米企業間格差
http://72.14.235.104/search?q=cache:DRcPZMzX_ZcJ:www.neca.or.jp/pdf/kantou0508.pdf+%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E5%AD%A6&hl=ja&ct=clnk&cd=9&gl=jp
わが国の企業の中で未来学を積極的に取り入れ、研究所まで設立しているのはソニーただ一社である。つまり、同社は04年6月に「ライフ・ダイナミックス研究所」を立ち上げ「5年後には人間並みの機能を持つロボットを実現させる」という目標を掲げている。

このため、百台以上のPCを並列につないだ上で、世界で研究されている脳科学の成果を高速処理してプログラム化している。同研究所によると、今から20年後のロボット市場は3兆3,000億円。医療や福祉関係だけでも9,000億円だという。ただし、ソニ−はロボットという特定目的だけのために未来研究所を設立したために「自社ビジネスを未来に向けて総合的にどう展開して行くべきか?」の分析がなおざりになった。



米国ナショナル ジオグラフィック協会とIBMは共同で、世界各地で数十万人のDNAサンプルを収集・解析し、人類がどのように地球上に広がったかを探る「ジェノグラフィック・プロジェクト」を今後5年かけて行うことを発表しました。

 「ジェノグラフィック・プロジェクト」では、世界各地の先住民族や一般の方々など数十万人のDNAサンプルをコンピューターによって解析します。

ナショナル ジオグラフィック協会の協会付き研究者で遺伝学者のスペンサー・ウエルズ博士をリーダーとし、世界各国の科学者チーム、IBMの研究者たちが協力して人類の遺伝的ルーツを解明します。ウエルズ博士は、本誌日本版2004年10月号の特集「地中海の覇者 フェニキア人」で、2000年前に姿を消したこの謎の民族の子孫を最新のDNA分析で調査しています。





http://www.amazon.co.jp/%E8%BF%91%E8%A1%9B%E6%96%87%E9%BA%BF%E3%81%A8%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%88%E2%80%95%E5%A4%A7%E6%9D%B1%E4%BA%9C%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%AE%9F-%E4%B8%AD%E5%B7%9D-%E5%85%AB%E6%B4%8B/dp/4569548202/ref=pd_ecc_rvi_1/503-0016665-2814362
大東亜戦争に関連する本は数多く出版されていますが、この本では特にイデオロギーの側面を重点的に書かれており、なかなかみられない視点での考察だと思います。


近衛文麿、尾崎秀実を批判するのは勿論な事、保守系の人からも評価される事の多い山本五十六もぶった切っていますので人によっては抵抗もあるでしょう。


しかしながら、保守主義者はアジアの開放であったと大東亜戦争を前向きに捉えますが、そこで思考停止する事なく戦後アジアに共産主義国が出来た事や北進でなくアメリカと敵対する南進を選んだ当時の日本など、その実態をドライスティックに考える必要はあるでしょう。

近衛文麿の孫という事で細川護熙氏の名前が何度かでて批判していますが、これは執筆された当時(1994年頃と思われる)の政治を反映したもので、時代を感じさせます。


朝日新聞は戦中は軍国主義を賛美し、その反省から現在は平和主義に…という見方がありますが、この本を読んで思ったのは、なんの事はない戦中に軍国主義を支持したのは日本がアメリカと敵対する南進を選んだからであり、今も昔も反米であったという本質はなんら変わっていないと感じました。

この著者は“共産主義者の陰謀”としてしまうケースが多く、この本に書かれていることを丸呑みする事は難しいと思いますが、戦中、戦前の日本の考察としては興味深いし、この本で書かれているロシアとの日本の関係は肝に銘じておく必要があり、この本で指摘する戦前の日露関係は現在の日中関係に酷似しており、一読の価値はあると思いました。



目から鱗が落ちた。今、一部若者に流行っている「反米右翼」と「アジア主義」が融合するのが恐ろしい。同じ過ちは繰り返してはならない。日本は文明史的にみてもアジアではない!