嫌フェミ流小説

フェミニスト・シンドローム

オブリビオン博士は言った。これは「フェミニスト・シンドローム」なのだよ。
フェミニスト界の池田貴族上野千鶴子も頷いた。

ヘンな女の子をきどっちゃってからに。てへへ。in-chikiは、ほくそ笑んだ。
in-chikiの脳波は異常じゃない。色情だ。
フェミニズム・ビジネス界の闇を知り尽くしたin-chikiにとって、
それは腐敗し、朽ち果てたフェミニストの意趣返しの饗宴であった。
フェミニズムに渦巻く事大主義・権威主義に食指が動いた。
「捏造せよ。」
in-chikiの脳内に木霊する電波は鳴り止まない。
「誰がなんと言おうと、チキはインチキさ。」
頭の中の電波は別の人格を作りだした。

善なるチキと、悪魔のチキが囁く。
ジェンダーの正体を見たものは殺されるぞ。」
悪魔が囁く。
「そんなに間違いではないさ。」
チキの妄想はとまらない。
フェミニスト・クライシスのときは迫っている。
「言葉に踊らされすぎなんだよ。」
日本は言霊の国なんだ。
テレビを見るとバカになるぞ。
もうなってるよ。
言葉は伝染する。
流行語はやがて死語になる。
でも、その死語がその時代を作っていたんだ。
死語の世界は、死後の世界。
「チキは決められたレールの上を歩きたくない。」
誰も知らない獣道を一人で歩いていくんだ。
ジェンダーフリー・ハイウィエへようこそ。」
チキは自分の歩いている道が、過去にヘンゼルとグレーテルが歩いていることを知らなかった。
チキは悟った。
私は人間というレールの上を歩かされていたんだ。
宇宙から、ソウル・メイトの声がする。
「ドヴァ帝国のカギは見つかったかい?」
そう、チキは宇宙人なんだ。
チキは宇宙人というレールの上を歩かされていただけなんだ。
チキはついに魂だけの存在になった。

あそこにはチキ魍魎がうじゃうじゃしている。
チキは嬉しそうに微笑んだ。
チキたんの自分探しの旅が始まった。
(フェミニオン・フェノメナ)