エコロジー運動の現代潮流

エコロジーの思想的系譜をたどると、そこにはルソーの自然回帰やアナーキズム農本主義など、共産主義との思想的なつながりを容易に見出すことができる。エコロジーは「文明や社会というものを罪悪視し、そう言うものがなければ人間は本来は素晴らしい存在なのだ」というロマン主義的な性善説的なナイーブな感情が根底に潜んでいるのかもしれない。
http://www.netlaputa.ne.jp/~eonw/sign/sign84.html

日本でも共産党系の生協などは割と早くから無添加食品やリサイクルなどに取り組んでいたが、エントロピーの法則を無視したリサイクル運動は余計にエネルギーを消費してしまうという矛盾が指摘されている。
http://homepage.mac.com/naoyuki_hashimoto/iblog/C478131471/E20060116144152/

キューバ有機農法の成功例のように言われているが、これは別に新しいことではなく、ナチスもバイオダイナミック農業という今で言う有機農法のようなものを行っていた。ちなみに、ナチスはヨーロッパで最初に自然保護を唱えたとも言われている。日本にも生類憐みの令なんてのがあったが、その歴史は意外と古くから存在するのかもしれない。
http://homepage3.nifty.com/martialart/bramwell.htm

また、代替医療として薬草療法や自然療法、菜食主義、そして疑似科学の一種であるホメオパシーなどもナチスの健康ブームとともに行われていたようだ。今のエコ・ブームも割り箸やレジ袋などといった弱小企業を狙い撃ちした魔女狩りを行うなど、どこかファッショ的な色彩を徐々に浴びてきている。割り箸を言うなら新聞の廃止の方が先決だが、力関係で弱いところからスケープゴートにされている。
http://www.socius.jp/life/review03.html

環境運動は極論するとファシズムとの親和性が非常に強く、エコロジーはしばし現世否定につながる。文明の破壊を肯定するようなアナーキズムへの後退は毛沢東下放政策やポル・ポト農本主義のように、一歩間違えれば大量虐殺と紙一重の運動にもつながるという側面を抱えている。また、ナチスの運動をエコロジー運動の壮大な実験としてとらえる人もいる。
http://www.shiojigyo.com/en/column/0505/main5.cfm

エコロジー全体主義への扉を開く鍵となる。環境運動が絶対正義として唱えられ、それに異議や疑問すら唱えられないような空気が醸成し、さらに進んで異端排斥運動が起これば、それはすでにファシズムへと片足を一歩踏み込んでしまっているのだ。地球温暖化騒動ではすでにコンセンサス主義という名の一種の異端排斥運動まで行われている。また、地球温暖化の原因として二酸化炭素説を疑う科学者には、死への脅迫メールが送られるなど、地球温暖化論がすでに宗教にまで転じてしまっている人たちも多い。
http://feliscatus.blog77.fc2.com/blog-entry-38.html

現在の左翼運動は、「赤から緑へ」の流れがあり、数多くの新左翼団体が環境団体へと転じている。共産主義者同盟(戦旗日向派)は「ブント(機関紙はSENKI)」として再出発した。共産主義労働者党(プロレタリア革命派)は「グローカル自治・連帯・エコロジーをめざす政治グループ・蒼生)」に改称し、「みどりの会議(選挙区では民主党)」を支援したり、「虹と緑」や「みどりのテーブル」、民主党とも協力関係にある。ちなみに、「みどりの会議」は「新党さきがけ」が環境政党として再出発したものだ。三里塚闘争では、中核派の組織的テロや第四インター派などとの新左翼集団同士の内ゲバが絶えなかった。また、それらの新左翼党派によるテロやゲリラ行為により、空港建設や正常な空港運用に支障をきたすことになった。

温暖化利権の地政学

温暖化ショックによる石油新時代
石油資源が枯渇すると言われて久しい。しかし、第三次オイルショックは当分の間来ないだろう。中国は、渤海で油田・天然ガス田を発見したようだ(中国、渤海で油田・天然ガス田発見)。さらにロシアはすでに世界でも有数の資源大国となった。あの広大の国土の下には、世界を支配できるだけの資源が十二分に埋もれている。今やロシアの原油輸出量は中東についで世界第2位である(ロシア - Wikipedia)。

アメリカは多くの兵士の犠牲によってやっとのことで石油資源を確保したが、不死鳥のようにロシアが甦り中国と手を組めば、世界はまた赤い資本によって苦しめられることになるだろう。冷戦は終わっていない。油断したときからアメリカの自壊が始まっているのだ。ロシアに核がなければ、アメリカは真っ先にロシアを占領していたはずだ。イランの核開発も遅きに喫した感がある。核の抑止力は絶大である。そして核と石油は抜き差しならない密接な関係がある。端的に言えば、石油枯渇も温暖化騒動も原発利権のために過ぎないものだ。消えては現れる終末論に人々は踊らされ続けることになるだろう。恐怖にわれを失った人間ほどコントロールしやすいものはない。危険な気候変動と煽り立てるものもいるが、危険なのは気候ではない。人間の業の深さだ。

ペトロチャイナの新油田発見について
原油高騰とロシア周りの雑駁な話


温暖化ブームの仕掛け人・御用学者シュナイダー
地球温暖化論の胡散臭さは多くの人が指摘するところだが、当然、社会学者も大いに注目していた。薬師院仁志はそんな社会学者の一人だ。彼は「地球温暖化論への挑戦」という本を書いている。これは理系の私から見ても感心するほど科学的な側面も詳しく検討されている。そして温暖化論がきわめて社会学的対象であるかということもわかる。これは原子力産業の御用学者スティーヴン・シュナイダーと石炭産業の御用学者リンゼンの戦いでもあったのだ。そして、この戦いに石炭産業は見事に敗北し、京都議定書にともないEUの多くでは石炭を閉山し、天然ガスに切り替えることで目標値をいとも簡単に達成した。

薬師院はこう指摘する。「シュナイダー氏は、科学者としての学説は正反対に変えてしまったのであるが、原子力産業支持の立場だけは何十年も首尾一貫しているのである。スリーマイル島事故が起ころうとも、チェルノブイリ事故が起ころうとも、軽々と変節するようなまねは決してしなかった。地球が寒くなろうが暑くなろうが、チェルノブイリで何人死のうが何であろうが、とにかく原子力エネルギー推進だというわけである。この点だけは一貫している」

「これまでの温暖化論争は……シュナイダーとリンゼンを両代表とする科学者グループの間でなされている。前者は原子力産業の御用学者グループであり、後者は石炭産業の御用学者グループである。両者ははじめから到達すべき結論が決まっており、決して科学的ではない。この論争の勝敗はどちらに行政が味方したかで決まってしまう。それは、どちらのグループに研究費が余計に出るかを意味する。研究費がたくさん出るほうに、一般の気象学者が同調することになり、多数派が形成されることになる。(槌田敦「リプライ―反論になっていない松岡コメント」 環境経済・政策学会編『地球温暖化への挑戦』東洋経済新報社(1999)p253-254)」

シュナイダーは、石炭産業を環境汚染産業として糾弾する一方で、メルトダウンしない安全な原子炉の設計を提案し、原子炉の安全性を高めるべきだとの原子力擁護発言を常々行っている。しかも、シュナイダーは寒冷化を論じていたときでさえ、原子力エネルギーがそれを救うとまで述べている。

もちろん、シュナイダーは、今年発表されたIPCCの第2作業部会の報告書の統括執筆責任者(第2作業部会の担当は影響、適応、脆弱性)をつとめている。
http://www.keieiken.co.jp/monthly/2007/0703-1/index.html

原子力産業・冬の時代
これまで原発はクリーン・エネルギーであるという偽りの宣伝が行われてきたが、チェルノブイリやスリーマイルのなどの相次ぐ事故により厳しい反発を受けるようになった。ウクライナでは東京都と同面積が非居住地化し、ベラルーシでは国土の四分の一が非居住地化してしまった。ドイツが原子力全廃を決めたひとつにはテロ行為による原発破壊も一つの要因としてあげられている。そこで、注目されるようになったのが二酸化炭素を余り排出しないので環境にやさしいという主張だ。そのため少なくとも原発のリスク以上に温暖化による脅威を煽る必要が出てきてた。

また温暖化の危機を煽る一方で、日本の原発関係者はチェルノブイリ事故を「日本では起きない事故」と断言し、原発に対する安全神話を構築してきた。しかし、最近になって臨界事故や数多くのトラブル隠しが発覚したため、 世論の目も厳しくなってきているが、なおさら温暖化の危機を騒ぎたればいいだけのことだ。

東海村のJCO臨界事故では放射線被曝による多臓器不全で二人死んでいるが、脱原発で有名な高木仁三郎が死んだ今となっては、何が起ころうが問題とはならないだろう。再び、チェルノブイリのような深刻な事故が起これば、二度と原発産業は立ち直れないだろうが、今は綱渡りながら、「原発輸出」でバブルを謳歌するがいいだろう。日本も巨大事故が起きれば、国家予算の二倍の被害が出ることを覚悟しておくべきだ(原子力産業会議の損害試算)。それが原発のリスクだ。廃艦となった墓石としての原発施設は後世に巨大なゴミとして君臨し続けるだろう。放射能を垂れ流し続けながら。


仕組まれたシナリオ

『九二年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミットにおいて、地球温暖化防止条約が締結されてから、突如として、二酸化炭素悪玉説が固定された経過に疑念がある。同会議の議長をつとめたブラジル環境長官ゴルデンベルグは、同国トップの原子物理学者であり、この会議以後、世界中の原子力産業が「二酸化炭素による地球の温暖化説」を引き合いに出して原子力推進論を展開するようになった。 』
(広瀬隆著「燃料電池が世界を変える」)

NGGIPは国連のIPCCの第I作業部会とOECD経済協力開発機構)、IEA(国際エネルギー機関)の共同事業としてOECDが事務局となって運営していたが財政事情の悪化に伴い、IPCC議長より各国政府に対して同プログラム事務局の受け入れ打診がなされた(温室効果ガスインベントリープログラム;NGGIP)。IPCCの報告書が政策決定者向け要約(SPM)となっているのはそのためだ。温暖化騒動は、国連のIPCC経済協力開発機構(OECD)、国際エネルギー機関(IEA)が三位一体となって行った温暖化詐欺である。エコロジーとエコノミーが結びついた瞬間だ。

IPCCの第一次評価報告書(1990)」では明確に原発の推進に重点を置いたシナリオによるシミュレーションが行われている。

シナリオA: 21世紀末まで何も対策を講じない場合.
シナリオB: 化石燃料のうちCO2排出量の少ない天然ガスへ転換した場合.
シナリオC、D:2050 年以降に再生可能なエネルギーや原子力エネルギーの利用を図った場合.

シナリオA〜Dの順に昇温の幅が小さいといわれ、必然的に原発の開発が推進できるシナリオになっている。当初、温暖化論は二酸化炭素を排出しない「クリーン」なエネルギー源である原子力発電の推進キャンペーンと常にセットで唱えられていた。今では「代替エネルギー開発」とセットで唱えられているが、どちらも利権にまつわるものだ。抱き合わせで唱えられる利権こそが本当の目的だ。

実際にゴア・シニアは温暖化防止と称して原発と核の推進を推し進めてきた。また息子のアル・ゴアの資産運用を委託しているヘッジファンド「チューダー・ジョーンズ・インベストメント」は代替エネルギー関連銘柄を映画の公開後に売却し、巨額の利益を得ている。これは事実上のインサイダー取引といってもいいだろう。またマークリッチという代替エネルギー開発に必要な鉱物資源を扱うマフィアとゴアやクリントンの関係も指摘されている(http://alternativereport.seesaa.net/article/32279135.html)。


復活した原子力産業と躍進する代替エネルギー産業
温暖化のシナリオは政治的なシナリオに沿った自作自演劇に過ぎない。そしてこのマッチポンプは見事に世界の流れを変えて見せた。今や温暖化騒動によって、原発増設の動きは世界的な流れになった。京都議定書の「京都メカニズム」におけるクリーン開発メカニズムは、 途上国支援の一貫として原子力発電所を途上国に輸出・建設するいわゆる「原発輸出」への動きを加速させることに見事に成功したのだ。おかげで、ウランの価格はこの半年で二倍近くにまで跳ね上がってしまった。

『アジアの原発ラッシュはすごい勢いだ。昨年12月現在での建設中あるいは建設予定の原発を数えてみると、日本13基、中国10基、インド8基、韓国8基、台湾2基、インドネシア4基、パキスタン1基、とアジアで合計46基の原発が計画されている。全世界で同様に建設中あるいは建設予定の原発は75基。半分以上がアジアに集中していることになる。』
世界は原発ブーム

原子力推進に政策転換か ―地球温暖化防止の観点から英国ブレア首相―
社説 原子力白書 温暖化で舞い上がる時か 2007年03月21日
再評価の気運高まる原子力エネルギー

地球からの警鐘:再び脚光を浴びる原発  2006年4月号 ナショナルジオグラフィック NATIONAL GEOGRAPHIC.JP


京都議定書のその後の動き

京都議定書のその後日本は、エコエコと呪文のように唱えるメディアでいっぱいだ。企業がその流れに便乗するのは当然として、官主導のデマゴークであるチーム・マイナス6%は実にくだらない。まったく効果のない対策を採らせて、役人の失策を国民に押し付ける愚策にしか過ぎないが、それ以上に国民はバカだから官僚も笑いが止まらないだろう。

温暖化騒ぎでとにかく金がかかる時代になった。炭素税、石油の価格高騰、バイオエタノールの開発のしわ寄せによるオレンジジュースやマヨネーズの価格の高騰など、時間がたてばさらに多岐にわたる影響が出てくるだろう。日本の畜産業も輸入トウモロコシに依存しているから、トウモロコシの値段か上がれば、ますます物価は高くなる一方だ。そして炭素固定化技術(CCS)を初め、大気にエアロゾルをばら撒き冷却効果を狙うなど、科学技術の暴走気味な温暖化対策が目白押しだ。行き過ぎた対策は逆ねじとなり、その逆ねじを巻きすぎれば、それは新たな人災を巻き起こすであろう(地球温暖化対策、行き過ぎた科学技術に懸念)。

アメリカの上空で化学物質の散布がおこなわれているニュース映像がyoutubeに流れ話題になっているようだが(NBC news: Chemtrails over California )、これは中国が山にペンキを塗るのと同じぐらい間違った方法だ(中国雲南省:乱開発の禿山にペンキを大量噴霧して「緑化」)。これから雨後の竹の子のように、二酸化炭素関連のエコ技術やエコ商品が出るだろうが、それらは全てインチキ商品になる可能性が極めて高い。本来、自然に大量にあるものと、人為で少しだけでるものを区別など出来ないのだ。二酸化炭素の抑制は無理してオナラを我慢するようなものだ。二酸化炭素は息を吐いたって出るし、自然の営みだ。この生理的な行いを否定することは、自己否定そのものだ。現世否定に染まったカルトが行き着くとこまでいけば、オウムや連合赤軍のような自滅の道しか残されていないだろう。

日本政府は「エネルギー政策基本法」を掲げ、『エネルギー基本計画』の中で「環境」のために積極的な原発推進をうたっている。
「第一に、自立した環境適合的なエネルギー需給構造を実現するため、原子力発電を積極的に推進し、新エネルギーの着実な導入拡大を図ること」(エネルギー基本計画)(地球温暖化対策として日米で原発を推進する「日米原子力共同行動計画」

一方、カナダでは、ハーパー保守党政権が京都議定書からの離脱を早々と表明した(カナダは京都議定書達成不可能と発表,米は原発34基建設計画 )。このハーバー首相は保守本流といってもいいだろう。日本のヘタレ保守と違い、はっきりと中国の人権蹂躙状態を糾弾している。これは台湾にとっても心強い味方になるだろう(2006年話題の人物、「戦う首相」にカナダ・ハーパー首相=タイム誌)。しかし、中共反日ロビー活動は世界中に及んでおり、日系が多く暮らすカルフォルニアでは反日教育が行われるようになってしまっている。マイク・ホンダ議員も日系だが、日系はアメリカの国益を第一に考えるのだ。カナダの反日教育もすさまじいものがある。(中国の陰謀、カナダの反日教育)


敵に塩を送る

日本は京都議定書の代償として、現在2兆円の罰則金を背負っている。この二兆円分の削減義務を排出権取引により他の国から金で買おうとすれば、結果として日本は「効果の薄い京都議定書」と心中して「環境をカネで買う」と非難されることになるのは目に見えている。議定書も守れず、しかも膨大な余剰排出枠を持つロシアに二兆円もの支払い義務を追うなど、踏んだりけったりとはまさにこのことだ。しかもたちが悪いのは日本のマスコミたちだ。欧米のメディアでは、また日本がぼったくられたとバカにして報道しているが、日本のマスコミは必死に隠して、エコエコと呪文のように唱える一方だ。

『ロシアのプーチン大統領京都議定書にサイン(批准)した次の朝、日本の新聞は「プーチン大統領も環境に目覚めた」と書いた。 欧米の新聞は「プーチンは日本から2兆円取れる。ロシアの国際戦略」と位置づけた。 』
環境で異端児扱いになる日本

敵に塩を送るという言葉があるが、ロシアに二兆円も送るバカがどこにいるだろうか。しかも、ロシアは京都議定書に付帯条件をつけ、第二段以降の参加は未定としている。これは日本から2兆円分捕ったらばっくれると明言しているようなものだ。

『ロシア下院のコサチョフ外交委員長は記者団に対し「第1段階だけに参加するとの明確な付帯条件を付けた。我々は、この期間に京都議定書がロシアの利益のために作用すると理解しているが、そうでないことが分かれば、議定書への参加を無条件に辞退する」と語り、第2段階以降の参加は未定との見方を示した。』
<ロシア>京都議定書参加は第1段階だけ 批准法に付帯条件

環境庁は日本を売り飛ばした
環境問題(地球温暖化)と利権(その5)


真の温暖化対策

さて、ロシアに二兆円をとられるは、効果の薄い京都議定書は守れず、日本の面子は丸つぶれと散々な条約だが、周りをよく見渡して欲しい。保守党が政権を握ったカナダは離脱し、アメリカも米国人科学者17600名がオレゴン申請(Oregon Petition )に署名し、温暖化論が科学でないことを主張している。72人のノーベル賞受賞者を含む4000人の科学者が、二酸化炭素地球温暖化は無関係であるとの主張に参名したハイデルブルグ控訴(Heidelberg Appeal)というのもある。

日本が恥をかかずに京都議定書を有効利用するためには、まず温暖化の原因が二酸化炭素でないことを正直に告白すればよい。カナダやアメリカは応援してくれるだろう。中国の光化学スモッグなどは京都議定書ではまったく規制できない。温暖化が原因といわれているものの多くは、ヒートアイランドや大気汚染によるもので、それは都市化と密接に結びついた問題だ。この「大気汚染」に対する条約を結ぶために、京都議定書をまるまる見直す提案をするべきだ。

ちゃんとした気象学者なら、異常気象と言われるものの多くが、「北極振動」による「偏西風の蛇行」にあることを教えてくるだろう。コンピュータばかりいじくっている連中は気象学者ではない。単なる計算屋だ。自然科学者は自然を対象に観測し、実験をするものだ。


ローカル・ウォーミング

アメリカの温暖化の原因は飛行機雲である可能性が高いようだ。これは二酸化炭素の排出を規制したとしても、アメリカの温暖化に対してはなんら解決策にはならないということだ。アメリカの場合、鉄道網を自動車会社が意図的に潰してしまったから、代わりの輸送機関もなく、どうにも首が回らないといったところだろうか(http://www.himekuri.net/d64/raika/20046/1.html)。
アメリカ航空宇宙局NASA)は、飛行機雲が地球温暖化を加速しているとの研究結果を発表した。NASAラングレー研究センターが、1975〜1994年のアメリカ上空の天候や雲の観測データを分析し、航空機の増加と比例して、巻雲(絹雲)の量が増えていたことを突き止め、過去20年間の北アメリカの気温上昇の主な原因は旅客機だったと結論づけた。』(NASA、「飛行機雲が地球温暖化を加速」と発表

東京でもすさまじい温度上昇を示しているが、これは二酸化炭素などはほとんど関係ない。大気汚染により熱循環がさまたげられたために起こるヒートアイランド現象に過ぎない。これは二酸化炭素ではなく、大気汚染物質の排出を抑えなければまったく効果がない。もしかしたら、アトピーやアレルギーの原因も大気汚染物質が深く関わっている可能性もあるのかもしれない。

http://data.giss.nasa.gov/cgi-bin/gistemp/gistemp_station.py?id=210476620003&data_set=1&num_neighbors=1


『人間活動による大気汚染が雪面を汚し,雪面のアルベド(反射率)を低下させて日射の吸収率を高め,融雪を早めていることが考えられる.大気汚染によるアルベド低下は,北極海の海氷や,グリーンランドの氷床,各地の山岳氷河にも等しく作用するので,最近の急激な雪氷圏の変動を説明できる可能性がある.』(http://www.st.hirosaki-u.ac.jp/~earth_metlab/monthly0611/)

『たしかに今も氷河に関しては、1年に100m以上も後退しています。ただしこの原因には降雪量の減少、乾燥化の影響があります。また北極の海氷も減少しつつありますが、これは北大西洋の暖流が流れ込むことによります。北大西洋振動という自然現象で、温室効果とは無関係な現象です。』
http://plaza.rakuten.co.jp/kopanda06/diary/20070503/

北極圏のサイエンス

北極圏のサイエンス

体育会系と文科系を結ぶもの

体育会系と文科系は一般にお互い相容れない部分が多いと思われている。例えば、体育会系のマッチョな縦社会が嫌いで文科系になるものも多いのだろう。体育会系がもつ独特の根性論や精神論が好きになれない人も多いのだろう。

一方、文科系の場合、運動が嫌いだったり、スポーツはあくまで楽しむものだと言うスタンスにある。あるいは健康のためであったりもする。そもそも文科系は文学などにより高い嗜好性を示す傾向もあるのだろう。しかし、文学とは現実逃避の虚構の世界を礼賛することでしかない。メンヘラやセカイ系などと呼ばれる観念論者が多いのも、文科系独特の雰囲気をかもし出している。

体育会系と文科系の表面上の違いは大きいかもしれないが、実は精神論に基づいた態度表明という点でその内面は同根のものである。*1数学音痴という点も共通している。三島由紀夫浅田彰はゲイとしても有名だが、方やマッチョなゲイであり(右傾化=右ゲイ化)、方や文学趣味なゲイである(左傾化=左ゲイ化)。ゲイ(または精神論)はこのアンビバレンツな状態を内包した両義性に魅力がある。*2どちらも刈り上げがあまりにもよく似合う。



戦前戦後の精神論を受け継ぐものたち

かつて日本軍は精神論で戦争に立ち向かった。しかし、竹やりでB29に勝てる分けない。結局、神風は吹かなかったのだ。そして、戦後はその反動により、日本は憲法九条さえ唱えていれば絶対平和が訪れると信仰するようになった。*3感情論だけで国が守れないのは戦前の軍隊の精神論による暴走を見ればよくわかることだが、今度はその針が極端からまた極端へと傾いたまま思考停止に陥っている。日本人と言うものはどこまでも感情論に流されやすい民族のようだ。*4

理系と文系
理系と文系の間には、体育会系と文科系よりもさらに大きな溝がある。それは思考回路がまったく違うからだ。科学とは現実を冷酷に観測し法則を見出さなければならない。人体実験や動物実験を拒んでいたら、医学はいつまでたっても進歩しなかっただろう。ナチスの人体実験のデータがその後アメリカに渡り世界の医学に貢献したことは、小説「白い巨塔」にでも出てくるような割とありふれたエピソードだ。

冷徹な目で物事を観測する習慣は文系の人間には向いていない。日本には、人文科学と評される噴飯物の学問がある。世界基準では、人文は下等学問とされている。人文と科学の区別がつかない日本人は日本の土俵の中だけにいるから、そのおかしさがまったく分かっていない。*5


日本の社会科学の後進性
社会科学と呼ばれる分野にしてもかなり胡散臭いのも事実だ。科学は国際語として英語で論文を書かなければならない。*6しかし、日本の社会科学は国内の仲間内だけの評価に甘んじて国際的な土俵に上がろうともしない。社会科学の女王と呼ばれる経済学の分野にはいくつか優れた業績を残す人物もいる。

しかし世界レベルからみれば、日本の社会科学全体の評価は北朝鮮なみの最下層のレベルに甘んじているのが現状だろう。特に計量的アプローチに必須である統計学をまったく理解していない社会科学者が多いことは日本の国益を大きく損なう要因にもなっている。巷ではびこるニセ科学的言説にも社会科学における統計学の貧困またはインチキにより持たらされているものも少なからず見受けられる。*7

*1:科学を軽視するという点でも体育会系と文科系は同根である。スピリチュアルなどのニセ科学の発生源のひとつでもある。

*2:ベタとネタの関係にも近いのかもしれない。

*3:言霊で結果が変わると思うのなら、「水からの伝言」となんら変わらない。戦前戦後の日本を貫くニセ科学は過度の言霊信仰にも原因があるのかもしれない。

*4:小室直樹は「日本の敗因」という著書の中で、日本の敗因の原因を無能な秀才を中枢に置いた腐朽官僚制にあるとしている。今では数学者や物理学者から経済学へと転向するものは珍しくないが小室はその走りでもある。

*5:新しい歴史教科書をつくる会は「歴史は科学ではない」とし歴史家から反発を招いた。しかし、人文とは「人間の過去の文献をあれこれ扱うこと」であるから、(古文書や石碑を解読する)歴史学は紛れもない人文(Humanities)に分類される。日本の学問の分類に見られるいい加減さは、日本の後進性をよくあらわしてる。

*6:インパクト・ファクターに関わらずせめて英語で論文を投稿するところからしか日本の社会科学再生の道は残されていない。科学に国境はない。いま世界で通用する社会科学者がどれほどいようか。

*7:俗流若者論を垂れ流す社会学者を揶揄する「反社会学講座」などという本があるのも、日本の学問レベルの低さの証左である。

まん延する非モテとカーゴ・カルト

悲劇のヒロインを気取る非モテの欺瞞
なんだか、最近、非モテという言葉を耳にするようになった。まず、モテないと思っている人はモテるやつに対する偏見があると思う。まず、第一に、いくらモテる奴でもナンパの確率は百パーセントではない。まず何より出会いが大事だ。モテるといわれている人は、その出会いの数を積極的に増やすだけの努力を怠らない。

もちろん、容姿は綺麗にしておいた方がいいにきまっているが、それが全てではない。出会いの数を増やせばいいといったが、出会い系サイトはやめておいた方がいいだろう。ネットなどではなく実際にあって話ができるような設定を自分で積極的につくるのだ。つまり、非モテとは積極的に出会いの場を作ろうとしないものたちのことである。性格ブスのサヨク、いわゆるブサヨクの精神構造も同系統のものだ。*1


非モテカーゴ・カルトの深い関係
なぜ、非モテなどというものが流行っているかと言うと、これには心当たりがある。そう、知らないおじさんが勝手にプレゼントをくれるという風習だ。クリスマスになると、日本の子供たちはトナカイを引き連れたサンタクロースがくると信じ込まされるているのだ。これは犯罪的な洗脳といってもいいだろう。こんなものはカーゴ・カルトの亜種でしかない。「買って、買って!」と泣き叫べば何でも好きなものが手に入ると思っているのだ。この幼稚な心情が大人になっても続くと、非モテになるのである。実は、このカーゴ・カルトとしての非モテは社会全体にまん延しているのをお気づきだろうか。*2


非モテ同盟としての官僚統制経済
公共事業をくれくれと天を仰ぐゼネコン業者の心情は、天からのお恵みを待ち望むカーゴ・カルトと同じものだ。彼らは談合という「非モテ同盟」をつくり、自由競争を疎外する原因にもなっている。官僚もこの非モテの構造を積極的に維持するために、彼らに天下り先を要求するのだ。そして、天下りの人数に応じてサンタクロースならぬ天下国家からのプレゼント量が決まる。こうして、護送船団方式という名の非モテ同盟は維持されるのだ。

この非モテの構造を社会全体で行おうとしたのが、そうご存知、共産主義である。すべての人を平等にするという理念は非モテ同盟の拡大版である。共産主義は金持ちに対する嫉妬や妬みから生じている。非モテもモテに対する嫉妬や恨みから生じているのだ。反体制を掲げる左翼の心情も非モテそのものだ。今流行の格差社会論争も実に非モテである。*3

しかし、劣情に基づく政治ほど愚かなものはない。イギリスの元首相サッチャーは、共産主義体制は嫉妬を正当化することを前提にした制度だと、正しく看破している。嫉妬は人間の感情で最も恥ずべき劣情。劣情をもとにした制度がうまくいくはずないのだと。


非モテ同盟によるモテ追放
ライブドア事件日興コーディアルの粉飾事件はその処罰に大きな差が生じた(出る杭は打たれる)。これは非モテ同盟である天下りの数によって決まってくるからだ。その他にも、政界や財界との非モテ同盟関係の構築を怠ったからだと思われる。そのことにやっと気づいたホリエモンは「日本は共産主義社会」とし、日本社会について、エリート官僚が「何が正しく、何が重要かを決定する」共産主義国家と同じ過ちを犯していると痛烈に批判している。官僚によって「出るモテは打たれる」のだ。日本の将来はベンチャー企業にかかっていると言っても過言ではない。今後の起業の動きが心配だ。
堀江貴文逮捕による本当の損失


非モテとはすべからく左翼であり、隠れ共産主義者に他ならない。いうならば、日本全体が非モテで覆われていた時代を戦後民主主義と呼び、その非モテ時代からの脱却こそが戦後レジームからの脱却である。しかし、アメリカの非モテ支配からの脱却を目指した田中角栄アメリカから潰されたように、アメリカの枠内での戦後レジームの脱却にしかならないだろう。左翼も右翼も困ったときのアメリカ頼みで、アメリカを牛耳る非モテ同盟からは逃れられない。非モテ同盟の黒幕はグローバリストである。長いものには巻かれろで、アルコール依存症のように非モテ中毒になった日本人には、平和ボケした戦後レジームのぬるま湯の中で釜茹でされるのを待つのみだ。*4


隷属への道
人の手に負えないものをマルクスは「疎外」と呼んだ。アダム・スミスはそれを「神の見えざる手」、または「市場」と呼び、構造主義者たちは「構造」と呼んだが、すべては同じ事を言い換えただけに過ぎない。ハイエクの「自生的秩序」も同じことだ。マックス・ウェーバーは「資本主義社会では、その不可避に人間が背負わなければならない悪の部分を資本家が背負う。ゆえに、資本主義が正しく、社会主義は間違っているのである」と「社会主義とは何か」という講演で述べている。

モテや格差が生じるのは不可避なことだ。それを無くそうとする運動は不自然なことであり、より大きな矛盾として綻びを見せることになるであろう。我々はまだ魔術の世界から抜け出せていない。魔術と夢想の果てに訪れるのは屍の山かもしれない。宮台真司は今の偽装転向も想定の範囲内として計算済みだと言うのだろうが、想定外の出来事を甘く見てはいけない。この世は偶有性に満ちているからこそ意味がある。すべてが時計仕掛けなら人間は規格大量生産されたロボットでしかないだろう。*5


3・11ホワイトデー爆砕デモで決定的勝利!!

高知新聞社説■【日興不正会計】ライブドアよりひどい■

ホリエモン:日本は共産主義国家なのか?

「特権階級」に勝てなかったホリエモン

新たなるグローバリストの、日本国民への攻撃策

*1:非モテは敗北主義であり、レーニンの「敗戦革命論」のごとき亡国への一途である。

*2:護憲を唱えるサヨクの心情もアメリカ頼みのカーゴ・カルトの一種である。

*3:共依存や共生などといったおべんちゃらも非モテの隠れ蓑でしかない。

*4:アメリカをサンタさんとしていつまでも甘えている場合ではない。これをサンタニズムと命名しておこう。

*5:真の理論家とは自分の理論の間違いに気づき積極果敢に新しい理論の構築と改良を行うもののことだ。私もかつて理論を間違って解釈していたことがある。とくに回りに自分以外にその理論のことを余り分かる人間がいない場合はよく起こりえることだし、それはしょうがないことでもある。しかし、戦後のウソをしらばっくれる左翼と同じような状態に陥った宮台真司の今の状態は非常にもったいないことだ。思想転向などではなく過去のモデルの落ち度に気づいたのなら、それは理論家にとってのチャンスでもある。小室直樹も次の世代につながる理論家を期待しているのではないだろうか。今は小室直樹の遺産で食っているものが多すぎる。師匠を越えるのが弟子の役目でもある。欧米の模倣ではなく新しい理論を構築するぐらいの気概を持って若手は研究に励んでほしいものだ。

赤いきつねと緑のたぬき

緑の左翼:ブントの場合
左翼や右翼の転向はよくあることだ。とくに、最近の傾向としては、「赤から緑へ」の動きが顕著になっている。例えば、日本でも共産主義者同盟(ブント)は市民団体のブントへと改称し、環境運動へ軸足を移し活動を行っている。環境問題に対する世論の意識の高まりに乗じて、新左翼はうまくその波に乗じたようだ。地球にやさしいエコな左翼の誕生だ。ただ、そのキレイ事から全体主義はいつも始まるのだ。


赤い資本家の系譜
ゴア・シニアによる「地球温暖化防止」ビジネス
今やアル・ゴアは環境問題に熱心な政治家としてお馴染みの存在だ。彼の実父であるアルバート・ゴア・シニアは上院議員の政治家であった。ゴア・シニアは原発開発委員会の中心メンバーとして、火力発電による「地球温暖化防止」のために原発推進キャンペーンを行い、同時に核兵器開発も推し進めてきた。ゴア・シニアはオクシデンタル石油の副会長も務めている。

このオクシデンタル石油の創始者アーマンド・ハマーは熱烈な共産主義者であった。*1アーマンド・ハマーはレーニンスターリン、その他のボルシェヴィキとも親交があった。特に、レーニンとの信頼は厚く、ソ連その他の周辺国との赤い貿易*2の中心的な存在となり、莫大な収益を上げ大富豪となる礎を築いた。*3

もちろん、ハマーはアル・ゴアとも親密な間柄にあった。ゴアは家族二代に渡って、御用政治家として活躍するだろう。赤い資本家のマリオネットとしての心構えは、赤いきつね(アーマンド・ハマー)から緑のたぬきアル・ゴア)へと連綿と受け継がれるのだ。今度はゴアが、マッチポンプの火消し役として、三都主なみの一流のシミュレーションをするであろう。*4


親子二代にわたる「地球温暖化防止」
現在、原油価格が急騰し火力発電は採算が合わなくなり、米国では原子力発電所の建設ラッシュへと向かっている。今こそ、親子二代に渡り、「地球温暖化防止」のために煽動を行うのだ。アメリカにとって「地球温暖化防止」のプロパガンダ原発・ウラン業界にとって絶好の追い風となる。ゴアのプロパガンダ映画「不都合な真実」は、どれだけ国益*5という名の利権を潤したか計り知れない。

ゴアの活動資金はマフィアのマーク・リッチ*6に大きく依存してる。マーク・リッチは、国際鉱物資源マフィア(メタル・トレーダー)として、ウランそしてレアメタル*7を販売している。原発や環境エネルギー開発は国際鉱物資源マフィアの利権にも直結するのだ。

民主党シンクタンク、ワールドウォッチ研究所は環境保護問題を専門としており、民主党の選挙キャンペーンとしてしばしば環境保護問題を宣伝に使うが利権のしがらみからは逃れられない。アメリカも族議員によって国益が吸い尽くされるであろう。アメリカは軍需産業から脱却できなければ、第二第三のJ.F.K.のような生贄を必要とするであろう。ゴアにその勇気はないだろう。偽善者として生きなければ、J.F.K.のようなリベラル野郎は消え去るのみだ。これからもグローバリストの手のひらで踊り続けるのだ。


ゴア元副大統領の映画「不都合な真実」の不都合な真相

*1:ちなみに、「アーマンド・ハマー」の名前は、共産主義のシンボル(アーム・アンド・ハンマー)からきている。

*2:ちなみに、オクシデンタル石油は、ロシアでウラン鉱山の開発も手がけている。

*3:アーマンド・ハマーはソ連の最高勲章であるレーニン勲章も受賞している。ちなみに、キューバカストロレーニン勲章を受賞している。

*4:シミュレーションはサッカーの反則行為である。三都主アレサンドロはシミュレーションの名手であり、華麗な名演技を見せてくれる。これは日本のサッカー選手が苦手とするところだ。

*5:原発・ウラン業界、国際鉱物資源マフィア

*6:マーク・リッチは永らくFBIに指名手配されていたが、2001年、任期終了数時間前のクリントン大統領から赦免を獲得している。アル・ゴアクリントン大統領がモニカ・ルインスキーとの不倫で非難されていた時に、世論の注意を誤魔化すためイラクにトマホーク・ミサイルを撃ち込み、名アシストをしている。

*7:太陽光発電装置や風力発電装置に必要

フランス文化に平伏すアメリカ

はてなロディア欲しい!というキャンペーンをやっているようだ。フランス製の商品にはこじゃれた物も多いが、ロディアは実用面でも割と考えられてつくられていて値段も割りとリーズナブルだ。文具は意外と値段の幅のある世界ではないかと思う。例えば、ジョルジュ・ラロというフランス製のノートがある。
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これはノートとしては高めな方だろう。ただし、カバーは皮製のようだ。*1数万円する皮製の手帳はざらにあるから、それと比べれば、これぐらいはして当然なのかもしれない。手帳といえば、モールスキンが割とおなじみか。モールスキンはもともとフランスのメーカーが作っていたが、1986年に一度生産が中止され、最近になってイタリアのメーカーが復刻させたらしい。また、モールスキンは実用面でも優れているようで、そのスケッチブックはマティスゴッホが使ったことでも有名のようだ。

私が使うには丸善あたりのもので十分だが、こういう文具に懲りだすと奥深い世界がまっているのかもしれない。とくに、ロディアもそうだが、フランスの文具はデザイン的にも優れたものが多いのでファンも多いのだろう。ゴッホミュージアム用につくられたモールスキンなどは特に気になる商品の一つかもしれない。[rakuten:bunguya:926652:detail]

知らぬが仏のヴァンデ戦争
フランスにおいてヴァンデ戦争を語ることはつい最近までタブーとされてきた。フランス革命の闇は深い。フランス革命の評価を聞けば、その人の政治思想は簡単に明らかにできるだろう。フランス人にだけは、アメリカ人も頭が上がらない。それはフランス人の野蛮さを知っているからというよりも劣等感の方が強いのだろう。アメリカではカトリックプロテスタントの対立軸の他に、人種的な視点も無視できないことだ。アメリカの上層にいる、いわゆるWASPでも、フランス語やラテン語を勉強したりする。日本人でもパリ症候群などをわずらう人もいるが、フランス文化への憧憬はアメリカ人も変わらない。それには、歴史的な理由もある。

イギリスはノルマン系のフランス人が支配階級や貴族を占めていた。ノルマン人はもともとバイキングだが、彼らがイギリスを征服したのだ。アメリカで「ブルー・ブラッド」といえばフランス系あるいはオランダ系の名家を指す。ちなみに、フランス料理は、フランス人の料理という意味ではなく、世界で最高級の料理という意味である。そして、ソムリエはフランス人でなければいけないという伝統もある。

WASPは文字通りプロテスタントだが、フランスはカトリックの国である。ここにひとつのねじれがある。さらに、イギリスではアイリッシュの問題がある。アイリッシュケルト系の人々であり、カトリックでもある。U2アイリッシュ色の強いバンドの一つだ。日本にいるとそういう人種や宗教に対する気遣いをほとんどしなくて済むが、海外へ行くときはその土地の問題などを踏まえないと思わぬトラブルに巻き込まれることもあるから注意が必要だ。

もっとも海外旅行へ行ってはしゃぐなという方が無理かもしれない。ただ、どこへ行ってもバブルの後遺症というか、日本語の看板があったり、日本人の店員がいたりと、観光地やリゾート地は、それはそれで便利なのだが、いかに鴨がネギを背負って歩いていたのかと感慨深いものがある。だから、旅行慣れした人は日本人が余り行かないところを目指すのかもしれない。

*1:デスノートは何製だろうか。

ヒヨリミ偽装保守・宮台真司

はてなサヨクの貧困な歴史認識
seijotcpといえば、言わずと知れたはてなサヨクである。最近のブログのエントリーを見ると、やはりというべきか、サヨク特有の歴史認識が見て取れる。「第二次世界大戦は、共産主義者の陰謀だった!」とか騒いでいるが、きっと歴史も未履修だったのだろう。歴史を紐解けば、日本は右翼の社会主義者が跋扈していたのだ。

彼らを軍国主義者や国家主義者と呼ぶものもいるが、それでは本質は分からない。当時は、天皇制の廃止を掲げる左翼の社会主義者は流行らず、代わりに天皇を戴く右翼の社会主義がブームだったのだ。天皇万歳さえ唱えれば、どんな社会主義者でも転向したとされ、無罪方便になったのだ。

右翼社会主義思想を唱えた北一輝*1は「国体論及び純正社会主義*2を記している。皇道派と統制派の違いも、天皇を戴く社会主義革命か、合法的社会主義体制の実現を目指すかの違いでしかない。革新官僚という言葉もあるが、彼らが計画経済を志向していたのは自明の理である。ブロック経済圏の蚊帳の外に置かれたイタリア、ドイツ、日本などの持たざる国が国家社会主義へと傾倒していったのは歴史的事実である。


北進論から南進論への華麗なる煽動
日露戦争直前には、ロシアとの戦争に備えた寒冷地における戦闘の予行演習が行われている。これは後に八甲田山死の彷徨とも呼ばれるようになった。日本はロシアの脅威に対する防波堤として朝鮮を独立させ後に併合しているが、東西ドイツの統一でも多額の金がかかったように、伊藤博文はこの併合に反対していた。

満州事変以降も、ソ連との武力衝突の可能性からシベリアの極寒地に耐えられる装備を整えていた。しかし、その後の日中戦争の泥沼化と経済制裁の結果、戦争遂行に不可欠な石油資源を確保するために南方侵攻に切り替えたため、ソ連を仮想敵国とした装備は無駄になった。この日中徹底抗戦と南進論へと世論を大きく誘った人物の一人が朝日新聞の記者でもあった尾崎秀実である(革新勢力の思想と大東亜戦争)。

ソ連コミンテルンと言えば、革命を輸出するための機関としてお馴染みの存在だ。日本共産党がかつてコミンテルンの日本支部だったということもわりと有名な話だろう。そんなコミンテルンの手先として日本で活躍したのが、ゾルゲと尾崎秀実である(ゾルゲ事件)。彼らの謀略を一言で言うならば「敗戦革命」である。これは近衛上奏文の内容とも重なるところが多い。近衛上奏文では、次の三点が述べられ、共産主義革命の実現に対する強い懸念が表明されている(近衛上奏文)。
・「大東亜戦争」は日本の共産化を目的として行われて来たこと
・「一億玉砕」はレーニンの「敗戦革命論」のための詞であること
・一部の陸軍将校たちがソ連軍導入による日本の共産化を目指していること


国体の衣をまとった共産主義者宮台真司
最近の宮台真司は、右翼の社会主義者である北一輝、あるいは尾崎秀実と極めて類似した方向に向かっている。実際、彼の唱える亜細亜主義の再評価は、尾崎秀実の「赤い東亜共同体」構想の模倣でしかない。これから、偽装右翼や偽装保守が増える一方かもしれない。

人工的な社会秩序を志向する社会学者が、全体主義へと至るのはやむをえないことだ。社会問題に対する処方箋を今でも思い描いているのだろう。しかし、その処方箋の副作用については、まるで無頓着なことが多い。フェミニストが過去の社会実験の失敗を知ってか知らずか、繰り返そうとするのも思えば不思議なことだ(ジェンダーフリーと社会主義)。

seijotcpのように、歴史教育の貧困のためだろうか。マルクスをはじめ、何らかの社会法則を歴史から見出そうとする社会科学的手法には、初期条件や境界条件をわきまえる必要があるだろう。時代が変わってもその社会法則がそのまま通じると考えるには、余りにも想像力が欠如していると言わざるを得ない。そこには、「歴史法則主義の貧困」が潜んでいる。時代の波に飲み込まれたものたちが、その波の高さを知るのは暫く後のことになるだろう。

*1:彼は日蓮宗の熱狂的信者でもあった。日蓮正宗から破門された創価学会の他宗教に対する不寛容さは、この宗派に通低して見られる特徴でもある。

*2:マルクス主義者の片山潜をはじめ左翼たちはこの著書を絶賛している。